森林浴の勧め

 私は最近知人から「ちょっと痩せたんでない」といわれることが多くなってきました。毎年の健康診断や人間ドックで「太りすぎ」と指摘され続けてきましたので、天塩町に赴任したことをきっかけに、ダイエットに取り組むことにしました。私は「ダイエット」に取り組むに当たって次のようなことを考えました。
  ・今までの生活のリズムを崩さない。
  ・食事は今まで通りとする。(特に晩酌は続けたい)
  ・お金をかけない。
 結局、シューズさえそろえば他にお金がかからないし、誰でもすぐに始められる「ウォーキング」にしました。

 森林浴という健康法はご存知の方が多いでしょう。
 これは、海水浴や日光浴と同じ感覚で森の中に入り、きれいな空気の中で心身の疲れを癒そうというものです。
 森の中は、気候が温和で、夜や寒い日は木の枝が放熱を防ぎ外に比べて温度が高くなります。暑い日は、太陽エネルギーの80%以上を吸収すると共に、葉から放射される水蒸気が回りの大気から気化熱を奪うので、外よりもずいぶん涼しく、紫外線もカットされてその刺激から肌を守ることができます。
 さらに強い風を防ぎ、ほこりや大気中の有毒ガスを吸収して酸素を放出し、騒音も防止されています。森の中では緑が目の疲れを癒してくれます。
 森の中に一歩足を踏み入れると、清々しい樹木の香りに混じり、シダをはじめとする下草やキノコの匂いなど、森林特有の香りが感じられます。
 この香りの正体は「フィトンチット」と呼ばれる揮発性の高い物質で、その主なものは植物の精油成分であるテルペン類です。フィトンチットは、きわめて高い殺菌力を持つ物質で特に針葉樹に多く含まれ、元来は害虫や微生物など外からの侵入者に対して、植物が自分の身を守るために発散しているものです。
 最近の研究では人間の病原菌に対しても強い殺菌力を持ち、また弱った組織を活性化したり、大脳皮質を刺激して精神を安定させる効果をもつことも判ってきて、次のような報告例もあります。


 ○ 森林浴により最高血圧が低下、ストレスホルモンが減少
      (群馬県立医療短大、岐阜大学ほか)
 ○ 風光明媚な山村での転地療養で早期痴呆の症状改善が9割
      (医療法人S)

 つまり、森林の中を歩くことにより、その空気を体中に浴びて、知らぬうちにリフレッシュな気分となる。 
    ・・・・・それが森林浴です。

 その他に森林の働きには次のようなものもあります。
 ○ 森林は太陽エネルギーを基にした光合成により樹木や花などを生産し、また、生態系として様々な物質の循環メカニズムを有している。
 ○ 地球の温暖化防止が大きな課題となる中で、二酸化炭素を吸収し貯蔵する森林の機能は、大いに注目されている。また、固定された炭素を貯蔵する木材を積極的に利用することも、森林による吸収・貯蔵と並んでますます重要性を増している。


ウォーキングは最高のダイエットです
 
 森林浴をしながらの次のように歩くとよいでしょう。

1 歩き方
 森の中に入るときは、まず準備歩行をしましょう。
 樹木や花の観察、バードウォッチング等楽しみながら歩くのも良いし、普段の自分のペースよりやや早めの速度で歩くのもよいでしょう。「こもれびの森」の散策路は約4kmですので、1時間くらいで歩くことができます。
 体力に応じて無理をしないことが大切です。
2 休息
 疲れたときには、森の中にベンチなどが設置されていますので、そこに腰をかけて呼吸をととのえ体を休めましょう。周りの景色を眺めたり、小鳥のさえずりを聞くことも気分を和らげてくれます。
3 服装
 季節や気象条件を考えたうえで、思い思いのファッションで歩くのも楽しいものです。上衣は通気性がよく、重ね着可能な前開きのもの、ズボンは綿がよいでしょう。
 靴は足に無理なくフィットするもので、靴の底は滑り止めにギザギザがあるものがよいでしょう。ソックスは厚手のウール、帽子はツバつき、軍手もあるといいでしょう。
4 その他
 季節によって、蚊、毛虫、スズメバチなどがいますので、対策を怠らないことです。

スズメバチの対策ウォーキングの効果

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